「広告費をかけてアクセスは集まっている。それなのに問い合わせがほとんど来ない」——LP(ランディングページ)のご相談で最も多いのがこのパターンです。そして多くの場合、原因はデザインの古さでも広告費の少なさでもありません。ページの構造にあります。今回は、成果の出ないLPに共通して見つかる3つの欠陥と、直す順番を整理します。
「見られている」のに「動かれない」
まず前提として、LPは訪問者の大半が離脱するものです。お問い合わせ型のLPであれば、数パーセント程度の反応が得られれば健闘している部類とされます。問題は、離脱がどこで起きているかです。
アクセス解析を見ると、多くのLPで離脱の山は最初の画面に集中しています。つまり読まれた結果として断られているのではなく、読まれる前に「自分には関係ない」と判断されているのです。ここを直さずに文章を書き直しても、成果はほとんど動きません。
LPで最初に疑うべきは、コピーの巧拙ではない。読み手の疑問と、こちらの主張の順番がずれていないかどうかである。
欠陥1:誰に向けたページなのかが1画面目で分からない
よくある症状
見出しが「最適なソリューションをご提案します」「価値ある体験を創造する」といった、どの業界にも当てはまる言葉で始まっている。美しいメインビジュアルはあるが、そこに書かれているのは会社の姿勢であって、読み手の状況ではない。
訪問者がスクロールするかどうかを決めるのに使う時間は、わずか数秒です。その数秒で判断されるのは「これは自分の問題について書かれているか」の一点だけです。
直し方
1画面目には、対象・課題・提供価値の3つを、読み手の言葉で置きます。
- 誰向けか:「従業員30名以下の製造業の方へ」
- どんな状態か:「求人を出しても応募が来ないとお悩みなら」
- 何が得られるか:「採用ページの作り直しで、応募数を3か月で立て直します」
抽象的な格好良さより、名指しされている感覚のほうが強く効きます。
欠陥2:主張の順番が、読み手の疑問の順番と違う
作り手はどうしても「伝えたい順」で書いてしまいます。会社の歴史、こだわり、技術力、そして最後に料金。しかし読み手の頭に浮かぶ疑問には決まった順序があり、その順に答えていないページは途中で読むのをやめられます。
| 読み手の疑問 | そこに置くべき要素 |
|---|---|
| これは自分向けか | 対象と課題の明示 |
| 何が手に入るのか | 提供価値・ビフォーアフター |
| 本当か | 実績・事例・第三者の声 |
| 自分にもできるか | 導入の流れ・期間・手間 |
| いくらか | 料金・見積もりの目安 |
| なぜ今か | 理由・リスク・期限 |
順番が入れ替わっているだけで離脱するのは、読み手が不親切なのではありません。疑問が解消されないまま次の主張を読まされる状態が苦痛だからです。
なお、この「読み手の疑問」は、検索してたどり着いた人ほど具体的になります。どんな意図で検索されているかの捉え方は中小企業のSEOは「順位」より「検索意図」から始めるで詳しく扱っています。
欠陥3:行動の出口が1つしかない、または重すぎる
3つ目は出口の設計です。
出口が最後にしかない
長いLPの最下部にだけフォームがある構成では、途中で納得した人がその瞬間に動けません。心が動いた位置に出口を置くのが原則で、実績の直後、料金の直後など、要所に中間の導線を用意します。
一歩目が重すぎる
いきなり「無料相談のお申し込み」だけでは、検討初期の人には重すぎます。入力項目が10個以上あるフォームも同様です。
- 会社名・氏名・連絡先・相談内容の4項目まで絞る
- 電話とフォームを併記する
- 「資料を見るだけ」「診断だけ」など、軽い一歩目を用意する
送信ボタンの文言も重要です。「送信」より「無料で診断結果を受け取る」のほうが、押した先に何が起きるかが分かるぶん押されます。
3つの欠陥は連鎖する
厄介なのは、この3つが独立していない点です。1画面目で対象が曖昧なら、以降の主張は誰の疑問にも答えず、出口を増やしても押す動機が生まれません。部分的な手直しでは変わらないのは、原因が構造側にあるからです。
直す順番
改善は次の順で進めると、少ない工数で効果が出ます。
- 1画面目の対象・課題・提供価値を書き直す
- セクションの並びを、読み手の疑問の順に組み替える
- 実績と数字を、主張の直後に配置する
- 中間CTAを追加し、フォーム項目を削る
- 1か月運用し、離脱位置を見て再調整する
文章表現の磨き込みは最後で構いません。表現の力で成果を伸ばす考え方は読ませる文章と、行動させる文章はどう違うのかにまとめています。
「情報を足す」より「削る」ほうが効くことが多い
改善というと要素を追加する方向に向かいがちですが、実務で効きやすいのはむしろ削る作業です。
伝えたいことをすべて載せたページは、読み手にとっては「何を見ればいいか分からないページ」になります。特に、同じ主張を言い換えただけのセクション、どの会社でも書ける理念、使われていない機能の説明は、読む速度を落とすだけで判断材料になりません。
判断基準はシンプルで、その要素が読み手の疑問のどれかに答えているかです。答えていないなら、削るか、下部の補足に移します。1画面目から料金までの距離が短いページほど、反応が安定します。
直す前に、最低限の計測を用意する
改善で最も避けたいのは、感覚で直して感覚で評価することです。最低限、次の3つは見られる状態にしてから着手してください。
- どこまでスクロールされているか:離脱が集中している位置が分かります
- フォームまで到達した人数:到達しているのに送信されないなら、原因はフォーム側です
- フォームの送信完了数:GA4でイベントとして計測しておきます
到達しているのに送信されない場合と、そもそも到達していない場合とでは、直す場所がまったく違います。この切り分けをせずにページ全体を作り直すと、効いた施策が分からないまま次に進むことになります。
評価の期間も決めておきます。アクセスが月数百件規模であれば、最低でも1か月は同じ状態で回さないと判断できません。1週間で結論を出そうとすると、ただのばらつきを効果と誤認します。
それでも成果が出ないときに疑う2つのこと
構造を直しても反応が変わらない場合、原因はページの外にあります。
1. 流入とページの中身が合っていない
広告のキーワードや、検索で入ってくる語が、ページの提供内容とずれているケースです。「費用を知りたい」人が来ているのに料金が書かれていなければ、どれだけ構造を整えても離脱します。この見極め方は検索意図から始めるSEOで詳しく扱っています。
2. 提供価値そのものが競合と同じに見えている
対応範囲も価格帯も競合と横並びで、選ぶ理由が書かれていない状態です。この場合はページの問題ではなく、打ち出す内容を決め直す段階にあります。得意な業種、対応できないこと、納期、担当者の顔——差になる要素は必ずあります。
まとめ
問い合わせが来ないLPの原因は、たいていデザインでも文章力でもなく、対象の曖昧さ・順番のずれ・出口の弱さという構造の問題です。逆に言えば、作り直さなくても並べ替えと書き換えだけで改善できる余地が大きいということでもあります。
現在のLPをお預かりして、どこで離脱が起きているかと改善の優先順位をご提示することもできます。お問い合わせよりお気軽にご相談ください。実際の改善事例は実績ページに掲載しています。