経費削減2026-11-02

ホームページ関連の契約を見直す|ドメイン・サーバー・保守の払いすぎ

ホームページ関連の契約を見直す|ドメイン・サーバー・保守の払いすぎ

「毎月なにかが引き落とされているのは知っている。でも、何の費用かと聞かれると答えられない」——ホームページの費用は、そうなりやすい支出です。作ったときに言われるまま契約し、その後はカードや口座から自動で払われ続ける。年に一度だけ届く請求は、届いたころには前の年の内容を忘れている。こうして、使っていないサーバーや、誰も読んでいないメールアドレスの料金が、何年も払われ続けることがあります。

払いすぎを見つけるのに、専門的な知識はほとんど要りません。必要なのは、何に、いくら、誰の名義で払っているかを1枚の表にすることです。この記事では、請求書とカード明細から契約の一覧を作る方法、よくある重複と払いすぎ、確認と見直しの安全な順番、解約してはいけないもの、そして相談する前の準備までを順に説明します。

解約した後にサイトやメールがどうなるかの細かな仕組みには立ち入らず、「一覧にして、見直す順番を決める」ところに絞ります。費用や制度の数字は、2026年10月時点で根拠を示せるものだけを載せています。

なぜホームページの払いすぎは気づきにくいのか

1つの契約に見えて、実は何本もある

ホームページは、ドメイン(インターネット上の住所)、サーバー(サイトを置く場所)、SSL証明書(通信を暗号化するための証明書)、メール、保守、外部サービス(予約・アクセス解析・フォームなど)の組み合わせで動いています。契約先がばらばらのこともあれば、制作会社が1本にまとめて請求していることもあります。

まとめて請求されている場合、「ホームページ管理費」という1行の中に何が入っているのかは、請求書からは見えません。逆に、契約先がばらばらの場合は、どれとどれが同じ役目をしているのかが見えません。どちらの形でも、全体を一度に見渡す機会がないことが、払いすぎの温床になります。

払い方がばらばら

払い方気づきにくい理由
口座振替・カードの毎月払い金額が小さく、ほかの明細に埋もれる
年払い・複数年払い年に一度、あるいは数年に一度しか出てこない
制作会社からの一括請求内訳が書かれていないことがある
店主や担当者の個人カード会社の帳簿に載らず、会社として把握されない

自動で更新される契約が多い

サーバーやドメイン、外部サービスの多くは、止める手続きをしない限り自動で更新される契約になっていることがあります。使わなくなっても、解約を申し出なければ請求は続きます。担当者が辞めた、制作会社と疎遠になった、といった事情が重なると、契約した人がもういないのに支払いだけが続く状態が生まれます。

「止めたら怖い」から触らない

どれかを止めたらサイトやメールまで止まるのでは、という不安も、見直しを遠ざけます。この不安はもっともで、実際に止めてはいけないものもあります。だからこそ、いきなり解約を考えるのではなく、まず一覧を作り、確かめてから順に手を付けるのが安全です。

請求書とカード明細から契約の一覧を作る

4コマ写真漫画:毎年なんとなく払っているホームページの費用を、請求書とカード明細から契約の一覧にまとめ、二重契約や使っていないものを見つけ、ドメインなど解約してはいけないものは慎重に扱う

集める資料

最初にやることは、支払いの記録を1か所に集めることです。

見落としやすいのは個人のカードです。開業したときに店主のカードで申し込み、そのまま払い続けている契約は珍しくありません。

さかのぼる期間は「1年と少し」

年払いの契約は年に一度しか明細に出てきません。少なくとも直近12か月、できれば13〜15か月分をさかのぼると、年払いの取りこぼしを防げます。

ドメインは数年分をまとめて払っていることもあり、その場合は何年も明細に出てきません。管理画面に入れるならそこで、入れなければ公開の検索(「.jp」はJPRS WHOIS、「.com」などはICANN Lookup)で、有効期限を確かめておきます。JPRSの案内によれば、JPRS WHOISの検索結果には有効期限の情報が表示されます。

過去の請求書は、手元に残っているはずです。国税庁のタックスアンサーでは、法人は契約書や領収書などの書類を原則7年間保存することとされ、個人事業主も、申告の種類や書類によって5年間または7年間の保存が求められています(2026年10月時点)。経理の箱やフォルダを探せば、たいてい見つかります。

一覧に書く項目

表計算ソフトでも、ノートでもかまいません。1つの契約を1行にして、次の項目を書き出します。

項目書く内容
支払先請求書や明細に出てくる会社名(略称や英字のこともある)
名目請求書に書かれている言葉のまま
中身ドメイン/サーバー/SSL/メール/保守/外部サービス/制作費の分割
金額と周期月額・年額・複数年。比べやすいよう「年額に直した金額」の欄も作る
払い方口座振替・どのカードか・振込
次の更新日自動で更新されるか、解約の申し出はいつまでか
名義契約者は自社か、制作会社か、個人か
管理画面自社でログインできるか
使い道何に使っているか。分からなければ「不明」

空欄が残ってもかまいません。「不明」が多い行こそ、次に確かめる場所です。なお、この一覧にはパスワードを書かないでください。一覧は人に見せたり相談に使ったりするものなので、ログイン情報とは分けて保管します。

請求書の名目から中身を推し量る

名目は会社ごとに言い方が違いますが、おおよそ次のように読めます。

名目の例中身として考えられるもの
ドメイン更新料・ドメイン管理料ドメイン
レンタルサーバー・ホスティング・サーバー利用料サーバー
SSL・証明書SSL証明書
メールアカウント・メールボックスメール
保守料・管理費・サポート料保守(中身は契約による)
オプション・追加容量・バックアップ・セキュリティ後から付け足した機能
ホームページ月額・Web利用料制作と維持をまとめた料金、または制作費の分割払い

これはあくまで目安で、名目と中身が一致しないこともあります。

分からないものは、書面で尋ねる

名目から中身が分からない請求は、支払先に尋ねます。聞くことは「この請求は何の費用か」「契約期間と次の更新日はいつか」「契約者は誰か」の3つです。電話で済ませず、メールなど記録に残る形で尋ねておくと、後で見直すときにも使えます。

よくある重複と払いすぎ

一覧ができたら、次の6つの型に当てはまる行がないかを見ていきます。

1. サーバーが2つある

いちばん金額が大きくなりやすいのが、サーバーの重複です。よくあるのは次の3つです。

どちらが実際に使われているかは、ドメインの住所録(DNS)を見ると分かります。サイトの行き先とメールの行き先がそれぞれどこを指しているかを、管理画面で確かめるか、管理している会社に尋ねてください。どちらが使われているか分かるまでは、どちらも止めないことが大切です。

2. 使っていないドメイン

キャンペーン用に取ったドメイン、店舗ごとに取ったドメイン、似た名前を念のために取ったドメイン、昔の屋号のドメイン。.comのドメインなら年1,000〜2,000円程度と、1本あたりの金額は小さいものの、本数が増えると積み重なります。

ただし、使っていないように見えても、古いメールアドレスや、別の住所へ転送する設定に使われていることがあります。手放したドメインは第三者が取得できるようになるので(後の章で触れます)、「使っていない」と判断するのは慎重にしてください。

ドメインの請求額が、.comなのに年1,000〜2,000円程度を大きく上回っている場合は、管理の手数料などが含まれていないか、内訳を確かめる価値があります。.jpなど他の種類の料金は、種類や管理会社で変わるので、契約先の公式ページで確認してください。

3. 付けたままのオプション

サーバーやドメインには、申し込みのときや後から付けたオプションがあります。

オプションは、申し込んだときの理由を誰も覚えていないことが多い項目です。外す前に、そのオプションが何を守っているのかを確かめます。特にバックアップは、外すなら代わりの保存先があることを先に確かめてください。

4. 使っていないメール

メールは、アドレスの数で料金が決まる契約もあります。

ここで注意したいのは、使っていないように見えるアドレスが、大事な知らせの受け取り先になっている場合です。たとえば「.com」などのドメインでは、ICANN(.comなどを調整する国際機関)のルールにより、登録窓口の会社は、有効期限のおよそ1か月前と1週間前に、登録者へ期限の通知を送ることになっています。その宛先が誰も見ていないアドレスだと、更新の案内に気づけません。ほかのサービスのログインIDになっていることもあります。止める前に、そのアドレスの受信箱に何が届いているかを見るのが確実です。

5. 更新料の上がり方と、自動更新

更新のたびに、思っていたより高い請求が来る。これには、いくつかの理由が考えられます。

また、解約の申し出に「更新日の◯か月前まで」といった期限がある契約では、期限を過ぎると、もう1期分の料金がかかることがあります。見直しは、一覧の「次の更新日」から逆算して始めるのが基本です。

6. 保守料・月額料の中身

金額がいちばん大きいのは、たいていこの項目です。気を付けたいのは次のような状態です。

保守の契約そのものが悪いわけではありません。何が含まれ、実際に何が行われているかで判断します。保守に何を頼めるのかはホームページ保守は何を頼めるのかで整理しています。

確認と見直しの順番

払いすぎの候補が見つかっても、すぐに解約の手続きをしないでください。順番を間違えると、サイトやメールが止まったり、取り戻せないものを手放したりします。次の順で進めるのが安全です。

  1. 一覧を作る:この段階では、何も止めません
  2. 名義と管理画面を確かめる:自社でログインできないもの、名義が自社でないものは、見直しより先に、入れる状態・自社の名義に整える必要があります
  3. 使われているかを確かめる:住所録(DNS)の行き先、メールの受信箱、外部サービスの最後の利用日を見ます
  4. 更新日と解約の条件を書き出す:最低利用期間、解約の申し出期限、前払い分の扱い、違約金の有無を、契約書と利用規約で確かめます
  5. 止める候補を、影響の小さい順に並べる:下の表を目安にします
  6. 止める前に、データと代わりを用意する:必要なメールやファイルを手元に移し、代わりのサービスが動くことを確かめます
  7. 更新日に合わせて解約し、止めた後に確かめる:サイトの表示、メールの送受信、問い合わせフォームの送信を、実際に試します
  8. 一覧を残し、年に1回見直す:決算や予算を立てる時期に合わせると、経理の作業と一緒に進められます

止める候補の並べ方

影響の大きさ例
小さい使っていないことが確かな外部サービス、重複しているオプション
中くらい使っていないメールアドレス、プランの引き下げ
大きいサーバー、住所録(DNS)の管理先、保守の契約
原則として止めない使っているドメイン

影響が小さいものから手を付ければ、仮に見込み違いがあっても、取り返しがつきます。影響が大きいものは、代わりを用意し、切り替えを確かめてから、最後に止めます。

削減できる額と、手間を並べる

サーバーの引っ越しのように作業を伴う見直しは、削減できる額と、作業の手間や止まるリスクを並べて判断します。削減額が年に数千円程度なら、無理に動かさないほうがよい場合もあります。一方で、使っていない契約を止めるだけで済むものは、手間が小さいので早めに片付けて損はありません。

解約してはいけないもの・慎重に扱うもの

ドメインは、サイトを閉じても残す選択肢を

一覧の中で、いちばん慎重に扱うべきなのがドメインです。.jpを管理する株式会社日本レジストリサービス(JPRS)は、ドメインを廃止すると一定期間の後に第三者が登録できるようになり、次のような悪用のおそれがあると注意を呼びかけています(2026年10月時点)。

JPRSによれば、第三者が新たに登録しても、商標の侵害など紛争処理の対象になる事情がない限り、その登録や使用を差し止めることはできません。

.comのドメインなら年1,000〜2,000円程度です。サイトを作り直すときも、制作会社を替えるときも、ドメインだけは見直しの対象から外して更新し続けるのが無難です。どうしても手放す場合は、JPRSが勧めているとおり、サイトやメールアドレスを終了することを事前に知らせ、そのアドレスを使っているサービスの設定を変えてからにしてください。更新を忘れたときに起きることはSSL・ドメインの更新忘れで実際に起きることで扱っています。

住所録(DNS)を管理しているところ

ドメインの住所録を、サーバー会社の側で管理していることがあります。住所録には、サイトの行き先だけでなく、メールの行き先も書かれています。この場合、サーバーを解約すると、住所録ごと使えなくなり、別のサービスで受けているメールまで届かなくなるおそれがあります。サーバーの解約を考えるときは、住所録がどこにあるかを先に確かめてください。

削ってはいけない3つの費用

維持費の見直しで、安くすることを優先してはいけない費用があります。

考え方は中小企業のホームページ維持費は月いくらが適正かと同じです。これらを削って起きる事故のほうが、結果的に高くつきます。

審査つきの証明書が必要な場合

無料の証明書が主流とはいえ、取引の性質上、審査つきの証明書を求められる業態もあります。有料の証明書を外す前に、なぜそれを選んだのかを確かめてください。

相場と比べるときの物差し

項目ごとに比べられるものは少ない

一覧の金額が高いのか妥当なのかを判断するとき、項目ごとにはっきりした目安を持てるものは多くありません。

項目比べ方
ドメイン.comなら年1,000〜2,000円程度。.jpなど他の種類は、種類や管理会社で変わる(公式ページで確認)
SSL証明書無料の証明書が主流。有料なら理由を確かめる
サーバープランと契約先による。サイトの規模と使用量に合っているかで見る
保守含まれる作業と契約の形による。金額より中身と報告の有無で見る

サーバーと保守は、含まれるものがまったく違うため、出典を示せる一般的な相場は見つけられませんでした。総額で比べず、中身で比べるのが基本です。

まとめて払っている場合は、型ごとの範囲と比べる

制作と公開後の維持をまとめて払っている場合は、同じように制作と維持をまとめたサービスの価格帯と比べるのが分かりやすい方法です。当スタジオが2026年9月29日に調べた範囲では、ホームページ制作サービスの費用には、型ごとに次のような幅がありました。

型初期費用毎年かかる費用5年間の総額の目安
月額制の制作サービス0円が中心年4.2万〜12万円(月3,480〜10,063円)約21万〜60万円
格安の買い切り制作2〜5万円年2.4万〜2.6万円の例(初期費用のほかに月2,000〜2,200円の維持費がかかる例。維持費が別契約のものもある)約15万円〜
自作ツール0円年1.4万〜1.8万円約7万〜9万円

調査の概要(当スタジオ調べ)

  • 調査日:2026年9月29日
  • 調べたもの:ホームページ制作サービス11サービスの料金です。公式ページで確認したものが7サービス、比較記事に載っていた公表価格によるものが4サービスです
  • 集計の方法:金額はすべて税込です。月額は年額に換算し、初期費用がある場合は加えて比べました。「月額制の制作サービス」「格安の買い切り制作」「自作ツール」の3つの型に分け、それぞれの範囲(最小〜最大)を示しています
  • 前提と限界:サービスごとに含まれる内容(ページ数、サーバー、ドメイン、更新、サポート)は異なります。公表されていない維持費は、仮定を置いて計算した参考値です。価格は改定されることがあり、調査日より後の変更は反映していません

読むときの注意があります。公開後の更新は、月額制では上位プランや更新代行で提供されるのが中心で、自作ツールは作るのも直すのも自分の作業です。一覧で出した自社の年間の合計がこの範囲を大きく上回っていても、それだけで高すぎるとは言えません。何が含まれていて、実際に何が行われているかを確かめたうえで、差の理由を説明できるかどうかで判断します。

比べるときは年額にそろえる

月払いと年払いが混ざったままでは比べられません。一覧の「年額に直した金額」の欄を使い、月払いは12倍、年払いはそのまま、数年分の一括払いは年数で割ってそろえます。税込と税抜も、どちらかにそろえてください。

相談・診断の前に準備すること

そろえておくもの

自分だけで判断がつかない行が残ったら、制作会社や専門家に相談します。その前に、次のものをそろえておくと話が早く進みます。

金額は概算でよい

診断のツールや相談の場では、正確な金額より、内訳がそろっていることのほうが大切です。月額と年額、税込と税抜をそろえたうえで、分からない項目は分からないと書いておけば十分です。

パスワードは送らない

相談の段階で、管理画面のIDやパスワードを送る必要はありません。メールに書いて送るのも避けてください。管理画面の画面写真を送る場合は、パスワードやカード番号が写り込んでいないかを確かめてから送ります。

制作会社に確かめる質問

いまの制作会社に聞くなら、次の質問を書面で送ると、答えがそのまま一覧の空欄を埋める材料になります。

聞くこと一覧のどこが埋まるか
毎月(毎年)の請求の内訳中身・金額
ドメインとサーバーの契約者は誰か名義
契約期間、次の更新日、解約の申し出期限次の更新日
毎月、どんな作業をしているか使い道
自社で管理画面に入れるようにできるか管理画面

専門家に相談するとき

経費としての扱い(どの勘定科目にするか、など)は、契約の内容や金額で変わることがあります。個別の取り扱いは税理士にご確認ください。また、解約を断られた、請求の内容に納得できないなど、契約上のトラブルになっている場合は、消費生活センターや弁護士にご相談ください。この記事は一般的な見直しの進め方をまとめたもので、個別の契約で何ができるかは、契約の内容や経緯によって異なります。

まとめ

一覧ができたら、当スタジオのホームページ維持費の無料診断に金額を入れてみてください。ドメイン・サーバー・SSL・保守・外部サービスの内訳から、規模別の目安と比べた判定と見直しの着眼点が表示され、その結果を添えて、そのままご相談をお送りいただけます。

LPのCVR、見直してみませんか。

具体的な改善ポイントを、現状をもとにご提案します。

お問い合わせフォームへ →